昔語り-第3幕 不穏の影

野に下って、密かに牙を研いでいた眠れる獅子は
今まさに、動き出そうとしていました。
Luminasは危機感を強め、
今までのヘルプだけでなく、その頃は茄子から離れて
独自の戦争クランとして活動を始めていたグローウィングとも
同盟を組み、対BS戦略を着々と進めていました。


平時の戦争は、今までと変わりなく
茄子が箱になり、雑多のヘルプがjoinする形。
その中には、LuminasのメンバーもCACのメンバーも
どこにも所属しない狩りクランのヘルプもいました。
茄子のメンバーも、アデンのある日には、
防衛戦に参加していました。
しかし、ある時から、茄子だけがアデンに呼ばれなくなり
クラン員の中に疑問が噴出してきました。


そんなある日、突然に、「あの時」はやってきたのです。
もちろん、なんとなく、噂は耳にしていました。
LuminasはBSのメテオに対抗するために
指輪のDIGを引きいれたがっていました。
しかし、あの会議の席上で、あの要求を聞くまでは
仲間だと思っていた、茄子で一緒に戦っていた"彼女"の口から
そんな言葉が飛び出すなんて、思ってもいませんでした。
あまりにも理不尽なその要求に、怒りに我を忘れてしまいました。
その場で激しい口論となり、私は、その場でクランを脱退し
会議の席を蹴って宿から飛び出しました。
私とおなじくらい、彼女もヒステリックになっていました。
男性クラン員はきっと呆れていたでしょう。


「名を捨てて実を取る」と、
男の人はすごいなと、こんな時にも冷静でいられるんだ。
私には出来なかった、たかがゲームだからこそ
自分を曲げて、信念を曲げて
これから先、彼女にjoinして戦争するなんて、絶対に嫌だった。
たー坊のためになら、何度死んでも惜しくは無かったけれど
彼女のために、ただ1度の命も捧げたくは無かった。


無所属のまま、ひとりとぼとぼと歩きながら
涙がこぼれてしかたなかった。
あんなに大切だと、とても大好きだと思って来たものを
私は今自ら捨てたんだ。
とても一人では背負いきれない、誰か助けて・・・・
狩りjoinでお世話になっていた、大好きな姫にwisをした。
宿で今の話を全部ぶちまけた。
姫は黙ってずっと聞いてくれて、最後にこう言った。
「つらかったね。」
泣いてしまった。
忠告も助言もいらない。
欲しかったのは、こうしてそばにいて
話を聞いてくれる誰か。
そっと頭を撫でて、一緒に悲しんでくれる誰か。


ひとしきり泣いたら、また歩き出せる気がした。
まだ、戦争がしたい気持が残ってる。
きっとまた、歩き出せる。